お悩み相談室（症状別）

いわゆる四十肩・五十肩（肩関節周囲炎）は　中年以降に発生する、肩関節の痛み（疼痛）と動きの制限（拘縮）を伴う病気の総称です。

肩関節を構成する骨、軟骨、筋肉、筋膜、靱帯や腱などの老化を主な原因として、関節の周囲組織に強い炎症が徐々に発生します。

具体的には肩あるいは肩から上腕への疼痛と関節の動きが悪くなります。

症状と時期によって

急性期（疼痛が最も強く現れる）

慢性期（疼痛は軽快しているが運動制限が残る）

回復期（関節拘縮が改善する）の3段階に分類されます。

急性期では炎症を起こした肩の内側にある筋肉（インナーマッスル）の痛みが主ですが、周辺組織に炎症が広がる場合もあり、その場合は肩周辺のかなり広い範囲に疼痛を感じます。

安静にしていても痛みは強く（安静時痛）、夜間に激しいのが特徴です。その痛みは肩だけでなく、時に肩から上腕にも放散します。

急性期が過ぎて慢性期になると、安静時痛は消失します。しかし、腕（上肢）を挙げていく途中で痛みを感じ、肩関節の動きが制限れます。

下記のような症状のある方は注意が必要です。

●「肩が挙がらなくなってきた」

●「服の着脱で肩が痛くて困っている」

●「肩から腕まで痛みがはしりつらい」

●「夜、寝ていて肩が疼くように痛い」

●「背中に肩がまわらない」

●「突然肩に激痛が発症して困っている」

肩の治療では、痛みの原因や機能障害の程度をしっかり評価・判断することが大切です。

肩の施術では、発症時期、原因・痛みの強さ・炎症の有無・機能障害の程度によって治療法が異なってきますので、少しでも肩の症状がある場合には早期に専門家による肩の評価・施術を受けられることが大切です。

当院での四十肩・五十肩の治療方針は

①肩関節の動きを妨げている原因を見ていく

　肩甲骨の位置、姿勢、背骨の可動性、骨盤の状態をみて手技療法で改善します

②患部の痛み・炎症の緩和

　炎症の痛みには特殊電療が効きます。炎症の程度や範囲に応じて立体動態波、ハイボルテージ、超音波を使いわけます。

③回復期には関節運動、機能訓練

　せっかく緩められた肩関節も、運動療法を怠ってしまうと時間の経過とともに拘縮と癒着、痛みがぶり返して、周囲筋の萎縮や伸張性の低下も回復せず、そのままの機能障害が続いてしまいますので「運動療法」はとても大切です。